それ、トヨタの言葉?いいえ、私たちの「ちりつも」生活術です。
(※このセクションの文字数:約1600文字)
海外で暮らす皆さん、こんにちは!
日本で二人の子育てと家事に奔走しております、ブログ運営者の[あなたの名前、またはブログ名]です。
慣れない土地での生活、子育て、パートナーのサポート、そしてご自身のキャリア…本当に毎日お疲れ様です。海外で頑張る皆さんを見ていると、同じ「主婦」として(もちろん、主婦という言葉に収まらない活躍をされている方も多いと思いますが!)、心から「すごいなぁ」と尊敬しています。
さて、そんな皆さんに、今日は日本ならではの「考え方」であり、私が日々大切にしている「生活の知恵」を一つ、シェアさせてください。
その言葉は、**「KAIZEN(カイゼン)」**です。
「カイゼン? ああ、知ってる! トヨタとか、日本の工場で使われてる言葉でしょ?」
そう思った方も多いかもしれません。
まさにその通り! 「KAIZEN」は、”Continuous Improvement”(継続的改善)と訳され、日本の製造業が世界に誇る品質管理の根幹をなす考え方として有名になりました。
でも、私が今日お話ししたいのは、工場のラインの話ではありません。
この「KAIZEN」、実はビジネスの世界を飛び出して、**私たち主婦の日常生活、もっと言えば「人生そのもの」を豊かにしてくれる、最強の「人生術」**でもあるんです。
「カイゼン」と聞くと、なんだか「常に上を目指して、ストイックに頑張らなきゃいけない」…そんなプレッシャーを感じるかもしれません。
でも、本当のカイゼンは、まったく逆。
むしろ、**「大きな変化は、しなくていい」**という、とっても優しい哲学なんです。
「変わらきゃ!」のワナと、「カイゼン」の魔法
実体験をお話ししますね。
私、数年前に「理想の主婦になろう!」と一念発起したことがあるんです。
「朝5時に起きて、ヨガをして、家族が起きる前に完璧な朝食とピカピカのリビングを準備する!」
「今日から食費を月2万円節約するぞ!」
「毎日、英語の勉強を1時間やる!」
…さて、どうなったと思いますか?
結果は、ご想像通り(笑)。
見事な「三日坊主」でした。
早起きは2日で挫折。節約は、最初の3日間でストイックにしすぎて反動が来て、4日目にデパ地下でお惣菜を買い込む始末。「勉強しなきゃ」というプレッシャーで、結局テキストを開くことすらしなくなりました。
そして、自己嫌悪。「あぁ、私ってなんてダメなんだろう」「どうして決めたことが続けられないんだろう」って。
これ、海外で新しい生活を始めたばかりの頃や、新しいことに挑戦しようと思った時にも、似たような経験はありませんか?
「一気に変わろう」「完璧にやろう」とする。
これは、まさに「カイZEN」の対極にある考え方です。
カイゼンは、「ドラスティックで(劇的で)、リスキーな大改革」を求めません。
カイゼンが私たちに問いかけるのは、たった一つ。
「昨日より、今日、ほんの少しだけ良くするには、何ができる?」
これだけなんです。
朝5時起きが無理なら、「まずは、いつもより10分だけ早く起きてみる」。
食費2万円節約が無理なら、「まずは、冷蔵庫の中身をチェックしてから買い物に行く、を徹底してみる」。
英語の勉強1時間が無理なら、「まずは、単語帳を1ページだけ開いてみる」。
たったそれだけ?と思うかもしれません。
でも、これが「カイゼン」の神髄です。
「ちりつも」こそが、日本のレジリエンス(回復力)
日本には昔から**「塵(ちり)も積もれば山となる」**ということわざがあります。
(”Even dust, if piled, can become a mountain.”)
まさにこれ。
一つ一つは「塵」のような、取るに足らない小さな変化。
でも、それを「継続」することで、いつの間にかとんでもなく大きな「山」になっている。
この「ちりつも」精神こそが、日本の家庭に根付いている「カイゼン」の正体です。
そして、この考え方。
実は、ご提示いただいたフック(切り口)にあった**「家計(パーソナルファイナンス)」や、先の見えない時代を乗り切る「ビジネス戦略」**にも、そっくりそのまま当てはまるんですよ。
例えば、家計。
「一発当てて大儲けする(ハイリスクな投資)」のではなく、
「毎日100円だけ貯金箱に入れる」
「毎月1000円だけ『つみたて投資』をしてみる」
「今ある服を上手に着回すスキルを学ぶ(新しい服を買うのではなく)」
これらはすべて、「今あるリソース(資源)を最適化」し、「小さな、継続的な習慣」によって、将来の大きな「レジリエンス(困難からの回復力・しなやかさ)」を築く行為です。
これは、景気が悪い時(不況時)に、企業が「一か八かの新事業(リスキーな改革)」に手を出すのではなく、「今ある業務の無駄をちょっとだけ減らす」「今いる従業員のスキルをちょっとだけ上げる」ことに集中する戦略(カイゼン)と、全く同じ構造なんです。
壮大なビジネス理論のように聞こえますが、やっていることは、
「今日は、冷蔵庫の残り物で美味しい一品を作ろう」
という、私たち主婦の日常の知恵と、なんら変わりありません。
この「カイゼン」という名の、優しくてパワフルな生活術。
それは、大きな目標に押しつぶされそうになった時の、「大丈夫、今日できることを、ちょっとだけやればいいんだよ」というお守りのような言葉です。
次の【承】のセクションでは、この「カイゼンマインド」を、私たちの「お金(家計)」と「スキル(個人の成長)」に具体的にどう活かしていくのか、さらに深掘りしていきますね。
「カイゼン」で家計を守る。500円玉貯金と「スキル貯金」のすすめ。
(※このセクションの文字数:約3100文字)
【起】の記事では、「KAIZEN(カイゼン)」はトヨタや工場のためだけの言葉じゃなく、「昨日より、ほんの少しだけ良くする」という、私たち主婦の日常にこそ生きる「ちりつも生活術」だ、というお話をしました。
「一気に完璧を目指して、三日坊主で自己嫌悪…」
(はい、昔の私です…笑)
そんな「大改革」のワナにはまらず、どうやって「カイゼン」を生活に取り入れていくか。
今回は、ご提示いただいたテーマの核心でもある、**「家計(パーソナルファイナンス)」と「個人の成長(スキル開発)」**という、主婦にとって超・重要なお悩み二本柱について、具体的な「カイゼン術」をシェアしていきますね。
(1)家計カイゼン: 「Kakeibo(家計簿)」の呪いと、500円玉の魔法
海外で暮らしていると、日本とは違う物価、違う通貨、そして予期せぬ出費(ビザの更新料とか、一時帰国の航空券代とか!)に、家計の管理って本当に大変ですよね。
私も、「よし、節約するぞ!」と意気込んでは挫折した口です。
【起】でも触れましたが、過去に私は「今月から食費を月2万円節約する!」と宣言し、それはもうストイックにやろうとしました。
まず、完璧な「家計簿(Kakeibo)」をつけようとしたんです。
最近は海外でも “Kakeibo” として日本の家計簿術が紹介されているみたいですね。でも、当時の私はその「Kakeibo」の呪いにかかっていました。
「食費」「日用品費」「光熱費」「教育費」…と細かく項目を分け、1円単位で合わせようと必死になる。
最初のうちは楽しいんです。でも、数日経つとどうなるか。
…レシートの山ができます(笑)。
仕事や子育てで疲れて帰ってきて、「あ、家計簿つけなきゃ…」と思った瞬間、どっと疲れる。
「このレシートの、これは食費? いや、トイレットペーパーが入ってるから日用品費と分ける?」
…ああ、もう面倒くさい!!
そして数日後、そのレシートの山は「見なかったこと」にされ、結局「今月も赤字かも…」とどんよりする。
完璧を目指した結果、現状把握すらできなくなるという、典型的な失敗パターンです。
ここで登場するのが、「カイゼン」です。
カイゼンマインドで家計簿を捉え直すと、こうなります。
「完璧な家計簿なんて、いらない」
「まずは、昨日より『1ミリ』お金の流れを把握できればOK」
もし今、家計簿が続かなくて悩んでいる方がいたら、ぜひ試してほしいカイゼンがあります。
- カイゼン①:「今週は『カフェ代』だけ記録する」ウィーク全部を把握しようとするから疲れるんです。まずは「なぜかお金が貯まらない」原因になっていそうな項目、一つだけでいいんです。「今週は、コンビニで使ったお金だけ」「外でコーヒーを買った時だけ」レシートをスマホで撮る、とか。それだけで、「あ、私、週に5回もラテ買ってたんだ…」と気づけます。気づくだけで、大進歩! 来週は「4回にしてみようかな」と思えたら、それがもう立派なカイゼンです。
- カイゼン②:「完璧」より「継続」。アプリでざっくり管理今は便利な家計簿アプリがたくさんあります。レシートを撮影するだけ、銀行口座と連携するだけでOKなものも。「1円単位で合わせる」のは税理士さんのお仕事(笑)。私たちは「今月は使いすぎたな」「今月は優秀だったな」がざっくり把握できれば十分。その「ざっくり」を「毎月(あるいは毎週)続ける」ことの方が、よっぽど価値があります。
(2)「マイクロ投資」の元祖? 「ちりつも貯金」
さて、「支出」をカイゼンしたら、次は「貯蓄」です。
フックにも「micro-investing(マイクロ投資)」や「consistent savings(継続的な貯蓄)」という言葉がありました。
これ、まさに日本の「ちりつも貯金」のことだ!と膝を打ちました。
皆さんは、「500円玉貯金」ってやったことありますか?
「お財布に500円玉ができたら、使わずに貯金箱に入れる」という、あれです。
(海外なら、その国で一番額面の大きいコイン、例えば2ユーロとか、1ポンドとか、2ドルとか?)
これぞ、カイゼンの真骨頂。
毎日500円貯める、と決めるとプレッシャーですが、「お財布にあったら入れる」だけ。
たった500円。1回分じゃ、ランチにもなりません。
でも、これが「ちり(塵)」です。
チャリン、と貯金箱に入れる。その音を聞くのがちょっとした快感になったりします。
そして半年後、一年後。忘れた頃にその貯金箱を開けてみる。
「えっ、こんなに貯まってたの!?」
これが「山(Mountain)」です。
私も昔やっていて、海外旅行のお小遣いにしたり、ずっと欲しかったちょっと良い鍋を買ったりしました。あの達成感はすごかったですね。
この「500円玉貯金」のメンタリティ(考え方)が、まさに「マイクロ投資」や「継続的な貯蓄」の第一歩なんです。
「投資」と聞くと、「まとまったお金が必要」「リスクが怖い」「勉強しなきゃ」と、一気にハードルが上がりますよね。
それこそ「大改革」です。
でも、カイゼン的に考えるとこうなります。
「まずは、『無いもの』として扱えるお金で、始めてみる」
- カイゼン③:「おつり貯金」&「ポイント投資」最近は日本でも、買い物をした時の「おつり」を自動で投資に回してくれるアプリや、買い物の「ポイント」を使って投資信託が買えるサービスが増えています。これなら、現金が減る痛みを感じません。「あ、今月ポイントが1000円分貯まってる。じゃあ、これで投資信託買っとこ」みたいな。(海外にも似たようなサービス、例えば “Acorns” とか “Stash” とか、ありますよね)100円が101円になっても大喜びはしませんが(笑)、銀行に預けていてもほぼ0円の時代です。「ちり」を「山」になる可能性がある場所に、ちょっとだけ移しておく。この感覚です。
- カイゼン④:「月1000円」からの「つみたて投資」「つみたて投資」も、まさにカイゼンです。「一発当てよう(ハイリスク)」ではなく、「毎月コツコツ(ローリスク・長期)」です。「月10万円も積み立てられない…」と落ち込む必要は全くありません。月1000円でもいいんです。大事なのは「金額」より「継続」すること。月1000円を10年続ければ12万円、20年続ければ24万円の「元手」になります。(それに複利の効果が乗っかってきます)
これらはすべて、フックにあった**「long-term resilience(長期的な(家計の)耐久力)」**を育てるための、本当に地味で、でも確実な「カイゼン」です。
いきなり「資産1000万円!」を目指すのではなく、「まずは、銀行預金以外の置き場所を1000円分作ってみる」。
この「小さな一歩」こそが、将来の自分を助ける「山」になるんです。
(3)「スキル貯金」: 一日15分が、未来の私を救う
さて、お金の話の次は、「個人の成長(スキル)」です。
これも、海外で暮らす主婦の皆さんにとっては、切実な問題じゃないでしょうか。
「夫の駐在についてきたけど、私はキャリアが中断してしまった」
「子育ても少し落ち着いたけど、社会から取り残された気がする」
「現地の言葉をもっと勉強しなきゃ、と思うけど、毎日バタバタで…」
「日本に帰った時、私に何ができるんだろう…」
そんな焦りや不安を、私も(日本にいても)感じることがあります。
そして、そういう時ほど「大改革」に走りたくなる。
「よし! 今日から毎日1時間、語学の勉強をするぞ!」
「資格を取るために、テキストを全部終わらせるぞ!」
…はい、もうお分かりですね(笑)。
【起】でお話しした通り、これも見事に挫折しました。
最初の2日は頑張るんです。でも3日目に子どもが熱を出したり、イレギュラーな用事が入ったりすると、「ああ、できなかった…」と自己嫌悪。
そしてテキストはそっと本棚に戻され、「忙しいから仕方ない」と自分に言い訳をしてしまう。
この「スキル開発(skill development)」こそ、カイゼンが最も効く分野です。
家計のカイゼンが「500円玉貯金」なら、個人の成長は**「1日15分貯金(スキル貯金)」**です。
- カイゼン⑤:「1日1時間」ではなく、「1日15分」だけやる。「1時間」は、忙しい主婦にとって「まとまった時間」です。確保するのが難しい。でも、「15分」ならどうでしょう?子どもがテレビに集中している隙間、お湯が沸くまでの間、夜寝る前のベッドの中…「15分だけ」なら、なんとかなりませんか?大事なのは「何を達成するか」より、「今日もテキストを開いた(アプリを起動した)」という「継続の事実」です。1日15分なんて、意味ない?いえいえ、とんでもない。「ちりつも」を計算してみましょう。1日15分 × 7日 = 105分(週に1時間45分)1日15分 × 30日 = 450分(月に7.5時間)1日15分 × 365日 = 5475分(年に約91時間)1年に91時間ですよ!「ゼロ」と「91時間」では、とんでもない差だと思いませんか?1日15分、単語帳を眺め続けるだけでも、1年後にはかなりの語彙力がついているはずです。
- カイゼン⑥:「勉強」と思わず、「日常の動線」に組み込む「さあ、勉強するぞ!」と机に向かうからハードルが上がるなら、生活の中に組み込んでしまえばいいんです。例えば、現地の言葉を学びたいなら、「キッチンに単語カードを貼って、料理しながらブツブツ言う」「現地の子供向け番組を、家事のBGMとして垂れ流す」。これなら「勉強した」という意識すらないかもしれません。でも、確実に「昨日より1ミリ」その言語に触れています。
この「スキル貯金」は、すぐにはお金になりません。
でも、家計のカイゼンが「経済的なレジリエンス(耐久力)」を育てるとしたら、
スキルのカイゼンは、私たちの**「精神的なレジリエンス(心のしなやかさ)」**を育ててくれます。
「私は海外に来て、何もしてないわけじゃない」
「毎日少しずつでも、前に進んでる」
この小さな自信の積み重ねが、異国の地で頑張る皆さん自身の「山」となり、心を支える「お守り」になってくれるはずです。
さて、ここまで「家計」と「スキル」という、いわば「自分自身」のカイゼンについてお話ししてきました。
次の【転】では、このカイゼンマインドを、もう少し視野を広げて…あの、日本が誇る(?)「MOTTAINAI(もったいない)」精神と、フックにあった「ビジネス戦略」にまで繋げてみたいと思います。
「MOTTAINAI(もったいない)」は、最強のビジネス戦略だった。
(※このセクションの文字数:約3200文字)
【承】の記事では、「カイゼン」を私たちの「家計(500円玉貯金)」や「個人の成長(1日15分スキル貯金)」という、とても個人的なレベルに落とし込むお話をしてきました。「ちりつも」で育てる、長期的な「レジリエンス(耐久力・しなやかさ)」です。
さて、今回の【転】では、その視点を「個人」から、もう少しだけ広げてみます。
「家庭」という、私たち主婦が切り盛りする「小さな組織」へ。
そして、その考え方が、なんとご提示いただいたフック(切り口)にあった**「不況時(downturns)のビジネス戦略」**という、ものすごく大きな話にまで、まっすぐ繋がっている!という、ちょっとワクワクするお話をさせてください。
その合言葉は、あの有名な日本語。
**「MOTTAINAI(もったいない)」**です。
(1)「もったいない」=「既存リソースの最適化」という名の戦略
海外で暮らしていると、スーパーの野菜の量り売りが雑だったり(笑)、まだ使えそうな家具が粗大ゴミとして捨てられていたりするのを見て、ちょっと心がザワザワすることはありませんか?
「あぁ…もったいない…」
この感覚。
ノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんが世界に広めてくれたおかげで “MOTTAINAI” は今や世界共通語になりつつありますが、これこそが、フックにあった「ビジネス用語」に直結するんです。
フックの言葉をもう一度見てみましょう。
「focusing on optimizing existing resources」
(既存のリソース(資源)の最適化に、焦点を当てる)
…これって、難しく言ってますけど、
要するに、**「今あるものを、とことん使い倒す(=もったいない精神)」**ってことですよね?
「カイゼン」が「昨日よりちょっと良くする(継続的改善)」だとしたら、
「もったいない」は、「新しいものを足す前に、今あるものの価値を最大化する」という、カイゼンの大前提となる「土台」のような考え方なんです。
そして、この「もったいない」精神こそ、私たち主婦が毎日、キッチンで当たり前のようにやっている「最強の知恵」だと思いませんか?
(2)冷蔵庫の「残り物」は、「漸進的イノベーション」の宝庫
私の実体験をお話しします。
冷蔵庫に、中途半端に残った野菜たちがいるんです。
しなびかけたキャベツの葉が3枚、使いかけのニンジンが半分、明日の弁当にはちょっと足りない量のひき肉…。
海外だと、こういう「残り物」は、潔く捨ててしまう文化もあるかもしれません。
でも、日本の主婦(私)は、ここで燃えるわけです(笑)。
「うーん…この子たち(残り物)を、どうやって救出しようか…」
ここで取る選択肢は、大きく二つあります。
- 選択肢A(大改革・ハイリスク):「もう面倒! 新しいステーキ肉を買ってきて、豪華なディナーにしよう!」→ これは、フックにあった**「drastic, risky overhauls(抜本的でリスキーな大改革)」**です。確かにお金(コスト)をかければ、美味しくて新しいものは手に入ります。でも、冷蔵庫の残り物は「廃棄」となり、家計には「余計な出費」がかかる(リスク)。
- 選択肢B(カイゼン・ローリスク):「よし。この野菜全部みじん切りにして、ひき肉と混ぜて、餃子のタネにしちゃおう!」→ これこそ、**「optimizing existing resources(既存リソースの最適化)」です。さらに、もし餃子の皮がなくても、「あ、小麦粉があるから、皮から作ってみようか」とか、「いっそ餃子のタネでチャーハンにしようか」と考える。→ これが、フックの言葉を借りるなら「gradual innovation(漸進的なイノベーション=ちょっとした新工夫)」**なんです。
「新しい高級食材」という大きな投資(ハイリスク)に頼るのではなく、
「今ある残り物(既存リソース)」を使って、
「美味しい餃子(新しい価値)」を生み出す。
これって、すごくクリエイティブだと思いませんか?
不況時(downturns)のビジネス戦略も、全く同じです。
不景気で、会社にお金がない(=冷蔵庫に食材が少ない)時。
「一発逆転だ! 新規事業に莫大な投資をするぞ!(リスキーな大改革)」と叫ぶ社長より、
「いや、待て。今いる社員(既存リソース)のスキルを組み合わせて、今ある商品(既存リソース)をちょっと改良(カイゼン)して、新しい客層に売ってみよう(漸進的イノベーション)」
と考える社長の方が、よっぽど会社を潰さない、しなやかで強い戦略だと言えます。
私たち主婦が毎日の食卓でやっている「残り物リメイク」は、
立派な「リソース最適化戦略」であり、「ローリスク・イノベーション」なんです。
(そう考えると、毎日の献立作りも、なんだか「私、経営戦略やってるわ」って誇らしくなりませんか?笑)
(3)「大きなリフォーム」より、「100均の仕切り」の勝利
この「大改革のワナ」は、家の「片付け」にも潜んでいます。
私、昔から「使いにくいキッチンだなぁ」と不満だったんです。
引き出しの中はゴチャゴチャ、調味料の置き場所も定まらない。
そこで、こう思いました。
「ああ、もう全部イヤ! オシャレなシステムキッチンに、丸ごとリフォームしたい!」
これが「抜本的(drastic)な大改革」です。
でも、もちろん、そんなお金は簡単にはありません(ハイリスク!)。
結果、どうなるか。「リフォームできる日まで、この使いにくいキッチンで我慢しよう…」と、何年も「不便」を放置することになるんです。
これ、ダメなカイゼン(というか、カイゼンですらない)の典型です。
ある時、私はハッとしました。
「リフォーム(大改革)は無理でも、カイゼンならできるじゃない?」
私はまず、100円ショップ(日本のダイソーやセリアは、主婦のカイゼン・パートナーです!)に行きました。
そして、プラスチックの「仕切りケース」をいくつか買ってきたんです。
- カイゼン①: ゴチャゴチャだった引き出しに、仕切りケースを入れた。→ これだけで、お箸やスプーンが迷子にならなくなった。
- カイゼン②: コンロ周りに、小さな突っ張り棒を設置した。→ よく使う「お玉」や「フライ返し」を吊るす収納(既存リソースの最適化)にした。
- カイゼン③: 塩と砂糖のケースに、分かりやすくラベルを貼った。
全部合わせても、かかった費用は1000円以下。時間も1時間。
でも、どうでしょう。
キッチンの「使いやすさ(=業務効率)」は、劇的に改善(カイゼン)されました。
これが、**「gradual innovation(漸進的なイノベーション)」**の力です。
「いつかやる、大きな(高額な)リフォーム」を夢見て何もしないより、
「今すぐできる、小さな(低コストな)改善」を積み重ねる方が、
圧倒的に早く、確実に、私たちの生活(=ビジネス)を良くしてくれるんです。
不況時の企業も同じです。
「いつか最新鋭のAIシステムを導入する(大改革)」と夢見るより、
「今あるエクセルファイルの、無駄な入力作業を一つ減らす(カイゼン)」方が、
よっぽど即効性のある「コスト削減」と「効率化」になるわけです。
「もったいない」は、単なる「ケチ」「我慢」ではありません。
それは、
「今、自分の手の中にあるものの価値を、もう一度見つめ直す」
という、とてもポジティブで、創造的な「視点」なんです。
海外という、日本とは「常識」も「手に入るもの(リソース)」も違う場所で生活している皆さん。
「あれがない」「これがない」と嘆きたくなる時もあるかもしれません。
でも、そんな時こそ、この「カイゼン」と「もったいない」の精神が役立つはずです。
「日本のアレ(新しいリソース)が手に入らないなら、今、ここで手に入るコレ(既存リソース)を使って、新しい何か(イノベーション)を生み出せないかな?」
そう考えること自体が、異国の地でしなやかに生き抜くための、最強の「人生術」であり「戦略」なんじゃないでしょうか。
さて、これまで「カイゼン」を「家計」「スキル」「家庭運営(ビジネス戦略)」と広げてきました。
最後の【結】では、この「カイゼン」という考え方が、私たちの「心の持ち方」、つまり「人生観」そのものに、どう影響を与えてくれるのかを、お話しして締めくくりたいと思います。
「完璧な一日」より、「昨日よりマシな今日」。
(※このセクションの文字数:約2900文字)
ここまで、「KAIZEN(カイゼン)」という考え方を、いろんな角度から見てきました。
【起】では、「カイゼンは、完璧を目指して挫折する『大改革』ではなく、『昨日よりちょっとだけ良くする』という優しい生活術だ」というお話をしました。
【承】では、それを「家計(500円玉貯金)」や「個人の成長(1日15分スキル貯金)」に応用して、将来の「レジリエンス(耐久力)」を育てる「ちりつも」の実践法を見てきました。
そして【転】では、冷蔵庫の残り物リメイク(=既存リソースの最適化)や、100均グッズの片付け(=漸進的イノベーション)といった、私たち主婦の日常の「MOTTAINAI(もったいない)」精神が、いかに高度な「ビジネス戦略」と同じ構造を持っているか、というお話をしました。
さて、最後の【結】です。
ここまでお話ししてきた「カイゼン」は、結局のところ、私たちの「人生観」そのものに、何を問いかけているのでしょうか。
(1)「完璧な主婦」という、呪い
海外で暮らす皆さん。
慣れない土地で、言葉の壁や文化の違いと向き合いながら、家族のサポートを一手に引き受け、本当にすごいなと心から思います。
でも、そんな風に頑張っている人ほど、知らず知らずのうちに「完璧」を目指して、自分を追い詰めてしまっていませんか?
「現地の言葉も、早くペラペラにならなきゃ」
「子どもを、現地の学校で完璧に馴染ませなきゃ」
「夫が仕事に集中できるよう、家庭は完璧に回さなきゃ」
「日本にいる両親にも、心配かけないように、完璧に”楽しんでるフリ”をしなきゃ」
「一時帰国したら、完璧なお土産と完璧な笑顔を振りまかなきゃ」
…まるで、四方八方から「完璧」を求められているような。
そして何より、他の誰でもない、自分自身が自分に「完璧」を求めてしまう。
その結果、どうなるか。
【起】でお話しした、私の「三日坊主」と同じです。
「今日も、疲れて語学の勉強ができなかった…」
「今日も、子どものために手の込んだ料理が作れず、簡単なパスタで済ませてしまった…」
「今日も、なんだかイライラして、家族に優しくできなかった…」
できなかったこと、足りなかったことばかりが目について、
「ああ、私って、なんてダメな主婦なんだろう」
「私、海外に来てから、何も成長してないかもしれない」
と、自己嫌悪のスパイラルに陥ってしまう。
これ、本当につらいですよね。
私も日本にいますが、SNSを開けば「完璧な暮らし」をしている人たち(のように見える投稿)が溢れていて、勝手に落ち込むことが何度もあります。
でも、今日、私が一番お伝えしたいのは、これです。
「カイゼン」という人生術は、その「完璧主義の呪い」から、私たちを解放してくれる、最強の「お守り」である、ということです。
(2)「減点法」ではなく、「加点法」で今日を見る
「完璧な一日」を100点満点だと設定してしまうと、私たちの日常は「減点法」で採点されることになります。
「勉強できなかった、マイナス20点」
「料理をサボった、マイナス15点」
「イライラした、マイナス30点」
…今日の私は、35点。赤点だ。
これが、自己肯定感をゴリゴリ削っていく原因です。
でも、「カイゼン」の視点は、まったく逆。
カイゼンは「100点」なんていう、遠いゴールを見ません。
カイゼンが見ているのは、ただ一つ。**「昨日の自分」**です。
そして、採点方法は「加点法」です。
「昨日は疲れて何もできなかったけど、今日は(【承】で話した)15分だけ単語帳を開けた。プラス1点!」
「昨日はイライラして寝ちゃったけど、今日は寝る前に5分だけ、自分の好きなハーブティーを淹れた。プラス1点!」
「昨日は冷蔵庫がカオスだったけど、今日は(【転】で話した)引き出しの仕切りを1個だけ直した。プラス1点!」
どうでしょう。
一つ一つは、「塵(ちり)」です。本当に、取るに足らない、誰にも褒められないような「ちょっとしたこと」。
100点満点の「完璧な一日」から見たら、1点か2点しか取れていないかもしれません。
でも、いいんです。
「昨日(=0点)」より、確実に「1点」前に進んでいる。
これが「カイゼン」です。
カイゼンは、「できなかったこと」を責める哲学ではありません。
「今日、ちょっとでもできたこと」「昨日より、ちょっとでもマシになったこと」を見つけ出して、それに「マル」をつけてあげる技術なんです。
(3)「結果」ではなく、「継続」している自分を愛でる
「塵も積もれば山となる」
このことわざには、続きがあると思っています。
私たちはつい、目に見える「山(=結果)」ばかりを求めてしまいます。
「TOEICで900点取る(山)」
「100万円貯金する(山)」
「理想のキャリアを手に入れる(山)」
でも、その「山」は、あまりにも遠くて高い。
そして、「塵(ちり)」を積んでいる最中(プロセス)は、地味で、退屈で、誰からも評価されないように感じてしまう。
「毎日15分勉強してるけど、全然ペラペラにならない…」
「毎月1000円積み立ててるけど、全然お金持ちにならない…」
そうやって、私たちは「塵」を積むことをやめてしまう。
【起】の私のように、「三日坊主」になってしまう。
でも、「カイゼン」が本当に尊いのは、「山(結果)」ではありません。
その「塵(プロセス)」を、「今日もやめなかった」という「継続」の事実そのものです。
海外という、ただでさえストレスの多い環境で。
家族のことを第一に考えながら、自分のことは後回しになりがちな中で。
それでも、「1日15分」でも自分のために時間を作ろうとしたこと。
「500円」でも未来のために貯めようとしたこと。
その「意志」と「継続」こそが、誰が何と言おうと、世界で一番尊い「カイゼン」なんです。
大きな結果(山)が出ていなくても、落ち込まないでください。
「塵」を積むのをやめさえしなければ、あなたの「山」は、水面下で確実に、着実に、高くなっています。
そして何より、「継続している」という事実そのものが、あなたの「自信」という、お金では買えない「心の山」を築き上げているはずです。
(4)結論:カイゼンは、人生を「ちょっとだけ」面白がる技術
「カイゼン」は、ストイックな自己啓発ではありません。
むしろ、
「どうやったら、昨日よりちょっとだけラクできるかな?」
「どうやったら、今あるもので、昨日よりちょっとだけ楽しくできるかな?」
と考える、**人生を「面白がる」ための、クリエイティブな「ゲーム」**に近いのかもしれません。
海外での暮らしは、変化の連続です。
「大改革」をしようとすると、その変化の波に飲まれて疲弊してしまいます。
でも、小さな「カイゼン」なら、その変化の波を「サーフィン」のように乗りこなす「しなやかさ」を与えてくれます。
「完璧な一日」なんて、目指さなくていい。
「完璧な母親」「完璧な妻」になんて、ならなくていい。
「まあ、昨日よりマシかな!」
そう言って笑える日を、一日一日、積み重ねていく。
それが、日本から生まれた、優しくて、しぶとくて、最強の人生術「KAIゼン」です。
海外で頑張る皆さんの毎日が、この「カイゼン」の視点で、「できなかったこと」探しではなく、「ちょっとできたこと」探しに変わるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
私も日本で、皆さんに負けないように、「残り物リメイク」と「1日15分スキル貯金」、地味に続けていきますね(笑)。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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